三階松の備忘録

フツーのコンサルタントの備忘録

『CHANGE BY DESIGN デザイン思考が世界を変える』 - 感想

積ん読がひどい三階松です。

 

コンサルタントとして働き始め、最初のプロジェクトで「まだまだロジカルシンキング能力が足りていないなぁ」と痛感する場面が多々あった一方、
同じ組織内で「これからはデザインシンキング」と言われていたり、自分がアサインされていたプロジェクトではデザインシンキングを取り入れた仕事が始まるところだったりで、こりゃどっかで勉強しないとなと思っていました。

 

3ヶ月ほど前、会社の偉い人の講演を拝聴した際に紹介されていた本を、ようやく今になって読みました。

その本とは、『CHANGE BY DESIGN デザイン思考が世界を変える』です。

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

デザインシンキング?

「デザインシンキング」は、特別「デザイナー」の人のみが持っているスキルという訳ではなく、この本からお借りすると

「直感で判断する能力。パターンを見分ける能力。機能性だけでなく感情的な価値をも持つアイデアを生み出す能力。単語や記号以外の媒体で自分自身を発信する能力。それを重視するのがデザイン思考だ。」

 これは「はじめに」に書かれているのですが、読了後に見るとよくまとまっているなぁ(上から目線)と感じます←

 

「直感」や「感情」など、ロジカルシンキングとは相反する能力ですが、「これからは両方持ったコンサルタントが必要とされる」と講演でも聞いており、
実際に自分の周りで仕事として使われて来ているため、なるべく早めに身につけていきたいと考えています。

 

 

読んだ感想

感想の前に、

私は入社してデザインシンキングのビギナー向けトレーニングを受けているため、完全な初心者というわけではないです。
そのため、全くデザインシンキングとはなんぞやという人と同じ意見にはならないと思います。

そこだけご留意を。

 

 

全体を通しての印象としては、デザインシンキングは世界を変えるもの、いや、既に変え始めているものだと感じ、興味深かったです。より一層学びたい・自分のものにしたいと感じました。

デザインシンキングの仕事を任せられる前に読んでおいて正解でした。

調査に当たって、単にアンケートを取るだけでなく、上司が実際にクライアントと一緒に仕事をしたり、クライアントのお客さんを含めて直接声を聞きに行ったりとしていたのがいまいち分かっていませんでしたが、その答えはここにありました。

 

しかし、如何せん読みにくい。。

 

とにかく具体例が多すぎる。。

何かを説明するにあたって、
「これはこういうものだ。というのを○○社の軌跡が表している。ほにゃほにゃほにゃ…(具体例)」
が非常に多く、著者がCEOを務めるIDEO社がどれだけ成功してきたかをゴリ押ししまくる。しかも節によっては、結局ここって何が言いたくて具体例出したんだ?というのがちょこちょこ存在します。

そのため、私は7章だけは途中で捨てました()

 

最近、私は重要箇所はマーカーを塗るようにしてるんですが、これをしないと多分この本は特に読み返すのが大変だと思います。

 

 

けれども!
デザインシンキング自体の思想や概要、これを取り入れていくためには(個人としても組織としても)何が必要かが書かれており、最初の1冊目(もしくは2冊目)としてはとても良いのではないかと感じました。

私の場合は、
レーニングを受けた際に、ペルソナやカスタマージャーニーを設定して、解決策をブレスとして…とかやったけど、あれって「デザインシンキング」の中ではどういう役割なんだ?どういう価値を生み出すための手法なんだ?というのを理解できました。

 

そういった「この手法には〜〜という点で意味がある」ということが見えてくると、今後そういった仕事をする際により効果的に行えるのではないかと思っています。

 

今後

次は『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』を読みたいと思っています。
(会社で仕事としてやれたら最良ですが…)

21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

 

こちらの本は、本屋でパラパラめくった感じ、
もう少し具体的にどんなものをつかってプロトタイプを作るの?デザインシンキングを活かすには仕事ではどうすれば良いの?が書かれていました。

 

逆にいうと、『CHANGE BY DESIGN デザイン思考が世界を変える』は、自分の仕事でどう使っていくかの具体的なイメージは少々掴みづらいです。

 

 

そういえば…

コンサルタントになるために、大抵の人は面接の場でケース問題などを使ってロジカルシンキング能力があるかを見られたと思うんですが、
今後デザインシンキングもある人材が欲しいとなった時にはどうなるんでしょうかとふと疑問に思いました。

 

デザインシンキングは現代の教育では基本的に育たないスキルですし、個人では習得が難しそうなので、とりあえずはロジカルシンキングを持つ人間を入れて、入社してからトレーニングさせるのでしょうかね?
中途だと最初から両方求められる日が来るかも…?

 

アナリストレベルの僕が考えることではないかもしれませんが(笑)